明け方の若者たち
数少ない読書友だちの話をしようと思う。
今でも連絡は取っていて、お互いにこそばゆいLINEのやりとりをダラダラと続けている。大学生堪能中。
彼は優秀ないわゆるできる子なんだけど、その子がその日珍しく取り乱して
駅のホームで私を抱きしめてきたことがたまに脳裏をよぎる。
そして抱きしめられたまま何故か2時間くらい、よくわからない説教をされてヒーヒー言っていた自分を思い出す。うまいことやっていた自分を思い出す。
うまいことやれたのかは全体的な話なんだけど。
彼のことは確かに好きだし、ずっと仲良くできそうな友達の1人だったんだけど
やはり人間というのは100%同じ思考であることは不可能なわけで、ちゃんとうまくいかないこともある。
村上春樹の「ドライブ・マイ・カー」を2人で観に行って、この人は私と近すぎて駄目だ、と思った。
感性というのは似ていれば良いかと聞かれると、それは友達だけで良いような気がした。
その子とは、永遠にこの絶妙な距離感のままでいたいと思った。
あとから後悔することになるあの夜のこと、はじめて話しかけたあの日のこと、探り探りの深そうで深くない痛いLINE。
今まで関わってきた人の中でひとにぎり覚えてるうちの1人になることだけは分かる。
いつかこんな女はやめて幸せになって欲しいな、とか少しだけ思ったり