優しさの棘
嫉妬の感情は、人を狂わせる とよく人は嘆く。
切ない気持ちと、今私が置かれているこの「社会的地位」はそもそも世界が違う。
悪く言えば自分に都合のいいだけのことを言っている。
好きなことや好きな人に囲まれるこの毎日は、きっと自分にとっていつも存在価値を大きくしてくれるものだと思うのだ。
そしてそれと同時に、「束縛」「特別感」「嫉妬」もまた同様に生まれてしまう感情である。
でも私はそんな日々のこと、可もなく不可もないような毎日よりよっぽど意味を持つと思う。本当に大切なものは何なのか二十歳の私にはいまだにわからないけど、この無意味な毎日を感慨深いものにさせてくれることだけは間違いないのだ。
いつだって人の情緒や変動はわからない。仮にわかったところで100の共感もできなければ1の反論の余地もない。そうでなくては個性は無くなってしまうからだろう。
だから十人十色という言葉が存在するのだと思う。
簡単に物事が進めばいいのにいつも何かあってほしいと考えてしまうのもまた、人間の魅力的心理なのだろうか。
十分生きて、あったかい何かに包まれたまま最期を迎えるのも悪くないのかもしれない。